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雪囲いにおける考察シリーズ⑨

2022年3月13日 / 福井 デザイン

10℃を上回る日が続いてきました。春ですね!もう雪が降ることはなさそうですが、池田町の道路脇にはまだ1m超えの雪山が残ってます。さて、雪囲いシリーズ9回目です。

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今回は前回と同じく、池田町稲荷(平野部)、国道沿いの雪囲い。支柱は垂直型で、頭部は軒先の金物に差込み、脚部は据置き。面部は垂木に木板を釘留めしてパネル化し、それを支柱から突出したボルトに引掛けたもの。これにより「垂直型上端金物差込み下端据置き工法/木板釘留め引掛け工法」であることが分かります。

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支柱頭部は、予め設置している金物(角型バンド)に差込んでいます。

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支柱脚部は、溝の中に据置き。凹みが支柱のズレを抑制し雪圧に耐える形をとっています。

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この雪囲いの特徴は、腰高までしか覆わず、車の水撥ね対策に特化している点。前面道路に融雪装置がついているので、車が通るとシャーベット状の雪がビャーっと飛んできます。また、板の幅や長さを変えることでリズミカルに。ちょっと楽しげ。


面部は「引掛ける」というより「乗せる」に近い。木板は波板ポリカに比べて重く、風による浮上がりが発生しにくい。また長く突出したボルトにより落下しづらくなっています。山間地域において、写真のような木板の入手は容易で、痛んだらすぐ交換できるのは木板のメリット。貼り方向を変えたり塗装したりと、カスタマイズできるのも良いですね。


柴田
※写真撮影およびHP掲載については家主様の許可を得ております。