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講評会

2010年3月 1日 / 建築

27日(土)は、福井大学の卒業設計展講評会に審査員として参加。

全体的な感想としては、まちづくりや社会の問題点に対して、
計画学的にシッカリと物事を組立てた上に、建築をつくっている案が多い。
しかし、断面的、立体的、空間的な構成力が弱く、
シークエンスの展開に、ワクワク出来そうなものが少なかった。
奈良女子大准教授の長田直之氏をして「福井大学病」と言わしめた、
スラブやレベル間の断絶に、福井大学の建築教育のマンネリ化が見え隠れしている。
(OBだがらこそ言えるのですが...。)

そんな中、魅力的な建築をつくっている案も数案。
それらの案は都市のスキマに連続した建築をつくるものが多かったのだが、
それは都市や社会の問題に対して、よい方向性をもたらすことができるのは、
一拠点の建築(西口再開発ビルのような)ではなく、連続した空間やシステム(商店街もその一つ)が絡み合うことで出来るだろうなと期待させられた。

また、ほとんどの案がパースや図面だけではなく、
模型もつくっていることに学生の熱を感じる。やっぱり、建築は模型をつくらないと...。

夜は、学生の打上に参加。
自分が学生だった頃以上に、建築に対して真面目な学生達...。
これからの建築をつくるのは彼ら。
色々と模索しながら進んでいって欲しいものです。

今回の講評会は、私にとっても良い刺激となりました。
ちょっと残念だったのが、環境を意識した提案がなかったこと。
詩的、論理的、計画学的、都市工学的なアプローチも大事だけど、
環境工学とデザインを融合させた提案も、コレからの学生達に取組んで欲しいです。
もちろん、当事務所も取組まないとね。

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