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日本建築士会連合会賞受賞

2019年9月27日 / 事務所 ヒュッテナナナ

ヒュッテナナナが日本建築士会連合会賞の優秀賞を頂きました。

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建築士会は、私たち建築士が属する職業団体。
以下が本賞の主旨です。

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本会では,特に優れた建築作品の設計者として建築士会会員を表彰するために昭和61年に日本建築士会連合会賞を制定し,本会主催による建築士会全国大会において例年表彰を行って参りました。
審査上の主旨としては,従来に変わらずメディア界の飛びつくような新奇性よりは,優れた設計主旨によって地域と真実性に根ざした健実で心温まるような好ましい建築の姿を尊重してまいります。従って審査では,工事費や規模の大小を注目するものではなく,庶民のための小建築や住宅の類も同格に重視いたします。
さらに、先端技術に限らず低コストでの開発による有用性、更には伝統技術の再発見やその応用姿勢にも目を向けます。このように視野を広め,多様な分野の中から最も優れた美しい建築を適切に配分して選出いたします。
なお、従来より、審査では応募が比較的多彩な様相となるため,受賞者を一つに絞ることなく,5点程度の優秀賞と数点の奨励賞とに設定しています。 (中略) この催しによって,本会員と建築作品の持つ社会的,文化的,総合的評価が高められることを確信いたします。

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まさしく、地域に根差した心温まる小建築。
伝統技術の再発見と応用を評価して頂けたのだと思います。

今回、現地審査に来て頂いたのは3人の建築家。石山修武、岸和郎、櫻井潔(敬称略)という私が地方の建築学生だった頃、建築雑誌などの書籍で様々な刺激を受けていた方たち。あまり多くを語らず、短い滞在時間の中での審査でしたが、結果、最高賞を頂けたことに大変な喜びとともに、審査員皆様からの今後の鞭撻だと思い身を引き締めております。

実は23年ほど前にお会いしたことのある石山先生。当時の私は、その迫力に身を縮めていた青二才でした。そして時を経て帰り際に頂いた一言。 「これは、コクーンハウスだよ」
戦後のモダニズム建築を代表するポール・ルドルフの小作品に準えて頂けたことに、当時の何ものでもなかった私を建築家として認めて下さったのかなと、少し感傷的な気持ちになりました。

そして、柔和な笑顔を絶やさない岸先生からは「これからもキチンとした建築をつくり続けて下さい」との御指導。

日本を代表する組織事務所を牽引してきた櫻井先生からは「日本建築の原型とも言える高床形式と縁側、純粋な素材と構造、ケレン味のないディテールは清々しく、鉄とガラスの現代建築の夢の住宅へのオマージュ」と評価して頂きました。

関係者の皆様に厚く御礼を申し上げます。
そして、今後も益々、社会に価値を与える建築をつくっていきます。


まるやま