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卒業設計講評会

2013年3月 1日 / 建築

2012年度の福井大学卒業設計講評会。

昨年は開催されていないのですが、ここ数年、審査員として呼んで頂いています。
今回の審査員は、いつも御一緒する建築家・奈良女子大学准教授の長田直之さん。そして、至民中学を設計した顕塾の柳川奈奈さん。

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社会的問題がすごく身近に感じる現代社会。今まで予測されていただけの人口減少問題・環境問題・都市間問題・など様々なものが、実生活においても影響を及ぼし始めています。そして、ハードに頼った社会政策が色々なところで疲弊し、近代に描いていた希望に満ち溢れた未来像が、現実はそんなものではないことに、現在の私たちを含めた社会全体は気付いています。

以前より、建築をつくることは施主や利用者だけではなく、地域やコミュニティ、社会に応えるもの、影響を与えるものとして取組んできました。しかし、ここ数年はハードのインフラをつくるだけでは、社会のニーズや問題に応えきれないと考え始め、まちづくりやコミュニティデザイン等、ソフトのインフラづくりに関わる機会を伺っていました。そして1年前より、そのような活動に関わり始め、ハード・ソフトの両面から建築やデザインを通して社会問題に取組んでいます。

そして、今回の卒業設計。
これだけ身近になった、私たちや次世代の未来を取巻く様々な社会問題に関して、俯瞰的立場からハードだけで物事の解決を図ろうとしており、当事者の立場にたった建築の構築や、ソフト・ハード両面からの模索が欠けているところに戸惑いを感じました。そして、そこからのカタチの構築がまだまだ弱いなと。

昔、描いていた未来像とは違うかもしれないけど、そんなに悲観しなくても良い未来。自分達の主体的な活動によって明るく見えてくる未来が実はあるんじゃないかと。
最近、そんなことを考えています。

建築青年たち、頑張れ!