場所は鯖江ICから漆器の産地である河和田へと向かう幹線道路沿い。
立並ぶ量販店建築の経済性や効率性に倣いながら、事業系建築としての価値向上を目指しました。
・鉄骨を木材に置き換えての大空間の確保
・ローコストの素材による視覚的快適性の向上
・商業施設としての看板的建築の実現
・機能性の確保による事業の効率化
地域に根差した農機販売・修理会社。若い後継者は、集落の中から幹線道路沿いでの移転新築を機に次代における新しい事業のあり方を模索。農業をしていない一般家庭との接点も増やしていきたいとの思いがありました。
一般的に同規模・同用途の建築においては鉄骨造が用いられることが多いですが、本プロジェクトは木造在来工法を選択しています。会社の3つの機能である販売・修理・事務を並べ、その間と建物両端を耐力壁のスパンに。修理場はホイストクレーンの鉄骨架台と滑り支承を利用し、木造の仕口へのクレーンの衝撃を逃がしながら、屋根の鉛直荷重だけを負担しています。その結果、確認申請手続きが煩雑になる混構造を回避しています。
ブランディングとしての在来木造建築。そのことによって、企業姿勢の表明・社会的意義・コストコントロールを図っています。若き後継者のビジョンに寄り添い、地域に根差してきた事業の更なる発展・展開を担う建築です。
監理・施工:㈱フクシン