幹線道路の裏手にある古い集落。その中に敷地があり、母屋・車庫・倉庫を残して、もう一つの古い母屋を解体して新築する計画。
子供室や玄関などは必要最小限の大きさとし、生活におけるパブリックな部分を開放的かつ連続性のある空間として確保しています。
先々代がつくった既存の和風庭園や御神木を残したいとの要望。2階からは村国山を眺めることができる環境を活かした計画。
計画の拠り所としたのは2つの大きな外的要素。一つは古い母屋が抱きかかえるようにあった和風庭園。もうひとつは庭園と斜に位置する一家の御神木。その両方を生活のシーンとして捉えられるように生活空間を切通しています。リビングやダイニングから2つの外部を眺めることができ、その軸を中心に内部空間が展開しています。
実は、着工の2週間ほど前に御神木が折れてしまいました。更に、対としていた和風庭園もつくりかえることになり、初期の設定は崩れてしまいましたが、対の2面を開放的に設えた住宅には、日々、多様な景色が展開しています。