加賀市尼御前近くの住宅。 南と北は隣接した住宅。広くはな い道路を挟んで東側にも住宅 があ り、港町からは離れているが特有の閉塞感が漂います。
敷地は、ちょうど海岸から丘陵地帯へと変わっていく場所。海には近いが間にある高速道路によって潮風から守られてはいるが、海の気配が伝わり難い状況でした。そのような環境下の中で、気持ちの良い暮らしを望まれていました。
生活拠点を2階に配し、加賀の橋立方面を望む西側に大きな開口を設けることで海を望む生活が可能に。全体ボ リュームの斜に2つの外部吹抜けを内包することで、日中を通じた安定的な光の享受、通風・プライバシーを確保。外形は矩形を2か所隅切した形状。北西は隣家のサンルームへ日光が届くように配慮し、南東は駐車スペース確保の為に。2階天井は屋根架構を露出し、荷重が一部の梁に集中しないように垂木を様々な方向に架けることで梁の大きさを制御。1階はポーチ・玄関・テラスを中心軸とし、個室や仕事部屋が囲うことで効率のよい動線計画に。
2つの外部吹抜けがもたらす反射光によって柔らかく照らされた木質天井が、2階ワンルームを優しく包みこみます。コンパクトな動線計画により、2つの外部吹抜けを持ちながらも全体ボリュームが小さくまとまっています。