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街中の回折

幹線道路から一歩入った、さいの目状に構成された古い住宅街。既に何十年も前に土地分譲された地域ではありますが、利便性のよいこともあり、世代の代謝が比較的うまく機能しています。そのような街に、子育て世代の施主家族が街とのつながりを保ちながら住まう。そのあり方を提案しています。

依頼内容

関西出身の御夫婦が求めたのは、徒歩で生活が機能する街中での居住。そして、多くを望まない身の丈にあった生活と、「子育て」という家族にとっての大切な時間の充実度。
北側接道で東・西・南に隣家が迫った本敷地は、なかなか利点を見出しにくいものでしたが、その状況をどのように活かすか、その模索をすることからスタートしました。

アイデア

「光と関係性の回折(かいせつ)」
内部は、吹抜を通じたワンルームとなっており、家族の気配を常に感じることができます。その大きな吹抜が2つと、小さな吹抜2つがそれぞれ窓と絡むことで、各階の各場所に光が回折し、内部に落着きのある明るさをもたらしています。
また、外部との関係性をつくりだしている窓の内側には、生活の中でもパブリック性の高い機能として位置付けたワークスペースやキッチンを配置。寝室やダイニングなどプライバシーの確保を要する場所は、その影響が回折される場所に設けることで外部との緩やかな関係性を保ちます。

価値

関西出身の夫婦が選択した福井での街なか居住。
「子育て」という家族にとって遡行できない大切な時間を、街とともに暮らすことで、かけがえのない豊かなものとする。そんな住まいができました。

施工:松栄建設㈱
写真:髙野友実