WORKS

kurumu

フィンランドの子育て支援「ネウボラ」を参考に子育て支援を実施中の福井県高浜町。子育て世代包括支援拠点の改修により、「親子」や「親同士」、「子ども同士」が触れ合える空間をつくりました。(プロポーザルコンペ最優秀)https://www.kurumu-takahama.com/

依頼内容

町が求めたのは「親や子ども、それぞれが交流できる場」、「子育てのあり方を体現した町のシンボル」。住民診断やソフトバレーなど、多目的に使用するために整備された空間に、遊具や相談コーナーを設置し、キッズスペースの様にしていた改修前は、「子どもが遊具で遊び、親は周囲で所在なげに見守るだけ」、「親同士の会話も生まれにくい」、「天井が高く幼児が落ち着いて遊ぶことができない」「オープンな相談コーナーしかなく、落ち着いて相談できる環境でない」などの課題がありました。

アイデア

解決の為のヒントが和田地区周辺に広がる『民宿群と路地のある町並み』。路地を歩くと所々に現れる広場、海への視線の抜け、隠れ処など、シームレスに場の連続したまちには、多世代にわたる住人の多様な活動がいたる所で同時進行に行われています。そこで本計画は、①壁を配置し、視線の「抜け」や「止め」をつくる。②和紙屋根を設け、天井を部分的に下げる。③既存床から18cmと36cmの段差を設け、高低差をつくる。路地空間がもつ構造要素が親子の多様な活動と居場所を生み出すと考えました。

価値

子どもの遊び場である木育施設とは異なり、壁・和紙屋根・段差により視界や起伏の変化に富んだ空間は、親子それぞれの居場所を創出しています。

既存ホール:中央に既製遊具が置かれている。

建物外観:正面玄関から右側の棟が現場。